最近ではインバウンド集客のために地方自治体でも積極的にファムトリップを検討しているとお話を伺います。

また地方主体で地元企業や商業施設、飲食店などと協力しあいブロガーやメディアを誘致する試みもあるようです。

ここでは今後、地方誘致やインバウンドプロモーションで効果的な施策である「ファムトリップ」についてご紹介します。

 

1、ファムトリップとは

2、ファムトリップのメリット

3、ファムトリップの事例紹介

 

1、ファムトリップとは

ファムトリップ(FAMトリップ)とは観光地の誘致促進のため、ターゲットとする国の旅行事業者やブロガー、メディアなどに現地を視察してもらうツアーのことを指します。Familiarization Trip(ファミリアライゼーション トリップ) の略で、下見招待旅行やモニターツアーとも言われています。

プロモーションの一環として行われることもありますが、海外のキーパーソンに対し観光地の情報を提供するだけでなく、意見交換やアンケートを実施することで、海外の視点から観光資源や受け入れ態勢に関する評価を受け、旅行商品として造成してもらうのが主な狙いです。

また、近年ではブロガーやYouTuber(動画サイトYouTubeの動画投稿者たち)といった、Web上の特定媒体で集客力のある個人を招くケースも増えています。

ファムトリップを実施する上で注意したいことは、売り込みたいもの、情報として取り上げてもらいたいものを押しつけるのではなく、相手国のニーズを知ったうえで、適切な観光資源を選択することが望ましいです。

なぜなら観光資源の評価については、日本人の評価と外国人観光客の評価は異なることもあるからです。

 

2、ファムトリップのメリット(その1)

「長期的なプロモーション施策である」

ファムトリップの1番のメリットは、招待され実際に体験した人が、それぞれの国にローカライズした形でプロモーションをしてくれることにあります。

観光庁の消費動向調査によると、訪日外国人観光客が役に立ったとしている情報源は以下の通りです。

1位「個人のブログ」(31.2%)

2位「SNS」 (21.4%)

3位「自国の親族・知人」(17.5%)

今まで、地方での広告の手段といえばフリーペーパーやガイドブックなどの紙媒体が主流でした。しかしこれらはお金を払わなくなってしまったら掲載されることはなく一時的な施策にすぎません。

ところが、ネットでの情報発信ならWEB上に残り続けるため、特別なことがなければ消えることはありません。

ファムトリップによるインターネットでの情報発信は結果的には機関誌などでの広告より、持続性も投資効率的にも効果が高いといえます。

2、ファムトリップのメリット(その2)

「外国人消費者視点での課題と魅力を再発見できる」

現地メディアや外国人インフルエンサーを招待すれば、一方的なアピールにならず、外国人が本当に欲しい情報を届けることが可能になります。外国人のニーズを満たすことができ、「今度行ってみようかな」という観光候補先に選ばれます。

特に地方の場合、「自分たちの地域のどこがアピールポイントになるのかわからない」という声をよく聞きます。逆に「ここが魅力的なポイント!」とアピールした場合でも外国人が必ず喜ぶポイントではない、というケースも少なくありません。

 

3、ファムトリップの事例紹介

2014年に行われたニセコでのファムトリップの事例を見てみましょう。

Hokkaido Snow Travel Expo 2014実行委員会が北海道を世界を代表するスノーリゾートにすべく、アジア、豪州、北米、欧州の16市場からメディア8社9名、旅行会社等42社42名をニセコ町と倶知安町に招致しました。

※観光庁「国内外取り組み事例の紹介」より

その成果は、商談数にして506マッチングを達成し、各国3メディアで取り上げられました。それらの効果として、ウィンタースポーツシーズンで約3000名の送客見込みとなり、経済効果としては約5億円の経済効果があるとしています。

昨今のインバウンドではFIT化が顕著であり、ゴールデンルートから外れた地方への分散化、コト消費化も進んでおります。今後さらに個人のブログやSNSの情報収集が進む可能性が非常に高く、体験型のレジャーやサービス、観光と相性の良いファムトリップの有効性が高まってくるものと考えられます。